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2025/06/23
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農業用ビニールの処分方法を詳しく解説!費用・手順・注意点

農業用ビニール(農ポリ、農POなど)は、ビニールハウスの被膜やマルチフィルムとして広く利用されています。しかし、使用後のビニールは非常に大きな量となり、そのまま放置すると土壌汚染や野生生物への悪影響につながる可能性があります。 また、適切に処理を行わないまま焼却すると有害物質が発生することもあるため、法律でも産業廃棄物として厳しく決まりがあります。違法に投棄したり不適切に処分すると、環境への負荷だけでなく、罰則や近隣とのトラブルにも発展しかねません。 農家にとってビニールの交換や処分対応は必須です。特にビニールハウスのフィルムは数年ごとに劣化が進むため、更新時には大量の廃棄物が発生します。きちんとした回収業者に依頼し、法令に則った処分をすることが大切ですが、地域の自治体やJA(農協)が回収をサポートしている場合もあります。 そこで本記事では、農業用ビニールの処分方法について詳しく解説し、費用相場や注意点、梱包手順など、実務に役立つ情報を詳しく解説します。
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農業用ビニールの主な種類
農業用ビニールには、用途や素材によってさまざまな種類が存在します。代表的なのは「農ポリ」と「農PO(ポリオレフィン系フィルム)」、さらにハウスのカーテン用やマルチに使われる薄手のビニールなども含めて、数多くのバリエーションがあります。
それぞれの素材によって燃焼時のガスの性質やリサイクルの可能性が異なるため、処分方法や取り扱いが変わってくるので、特徴をチェックしましょう。
農ポリ
農ポリはポリエチレン(PE)を主成分としたビニールで、比較的安価で加工もしやすいため、広く普及しています。透明度に優れた製品も多く、光の透過性が重要となるビニールハウスの被膜として重宝されています。
ただし、経年劣化による破れや黄ばみ、ゴミ・汚れの付着などで徐々に性能が低下するため、一定期間ごとに取り替えが必要です。処分時には、産業廃棄物として認定されるケースが多く、焼却やリサイクルを行う業者に適正に引き取ってもらう必要があります。
農PO(ポリオレフィン系フィルム)
農POはポリエチレンとポリプロピレンを主体とした複合素材で、強度や耐候性に優れる点が特徴です。紫外線カット機能や防塵機能など、農作物をより高いレベルで保護するための加工が施されている製品も多くあります。
一方で、農ポリよりもややコストが高い場合があり、廃棄時の量が多いと処分費もそれなりにかさみやすくなる点に注意が必要です。複合素材のため、リサイクルプロセスに追加の工程が必要となる場合もあり、その分だけ業者への引き取り費用が高く設定されることもあります。
マルチフィルムなど薄手ビニール
畑に敷くマルチフィルムは非常に薄手のものが多く、使用後は土や泥がこびりついていることがほとんどです。軽量であるにもかかわらず大量に使われるケースが多いため、処分時の量が膨大になる場合があります。再利用が難しい程度に汚れが付着していることも多く、回収業者によっては引き取り費用が高まる可能性があるでしょう。
処分方法を考える際は、これらのビニール素材をまとめて扱うのか、それとも素材ごとに分別して梱包するのかで費用や手間が変わります。また、リサイクルに回せるものか、焼却する必要があるものかを業者と相談しながら最善の方法を選ぶことが大切です。
農業用ビニールは産業廃棄物!違法処分を避けるには
農業用ビニールは、原則として「産業廃棄物」に分類されることを理解する必要があります。個人の家庭から出る一般廃棄物とは異なり、事業活動(農業)によって生じる廃棄物は産業廃棄物として厳しく処理方法が定められています。具体的には「廃棄物処理法」に基づいて不法投棄が禁止されており、違反すると施主(排出事業者)も責任を問われるリスクがあります。
産業廃棄物収集運搬許可業者への委託
産業廃棄物として農業用ビニールを処分する場合、収集運搬許可を取得している業者に委託しなければなりません。こうした許可のない業者に依頼すると、不法投棄や違法焼却を行う可能性があり、結果的に依頼した側も罪に問われるリスクがあるのです。
業者が提示する許可番号や自治体の公式サイトで業者の登録情報を確認し、正規の業者かどうかを慎重に判断しましょう。
自己処理や焼却は原則禁止
自分の畑で燃やすなどの自己処理は、ダイオキシンや有害ガスの発生リスクがあるため、厳しく禁止されています。大気汚染防止法上も問題があり、万が一、自治体の監視で見つかったり、近隣住民から苦情が出たりすると深刻なトラブルに発展しかねません。
一部の焼却炉には農業用ビニールを安全に処理できるものもありますが、その場合でも法令を順守している焼却設備を持つ業者に委託する必要があるでしょう。
農業用ビニール処分の手順
農業用ビニールを処分する際には、単に「業者に取りに来てもらう」だけでなく、ビニールハウスの解体やビニールの梱包など、ある程度の手間がかかります。特に大規模なハウスや複数のハウスをまとめて処分する場合には、段取りをしっかり組んでおくことが大切です。ここでは、主な手順をステップごとに解説します。
1. ビニールハウスやフィルムの解体
まずは古くなったビニールハウスやマルチフィルムなどを取り外します。ビニールハウスの場合、骨組み(パイプや鉄骨)からビニールをはがす作業を行いますが、長年使用した被膜は破けやすくなっているため、飛散に注意しながら丁寧にはがしていきましょう。
ビニールが非常に大きい一枚ものであれば、複数人で協力して折りたたむように進めるとスムーズです。
2. ビニールの選別と汚れの除去
はがしたビニールには、土やほこり、作物の残骸などが付着している場合が多いです。回収業者によっては、汚れが激しいビニールは追加料金が発生することもあるため、できるだけ泥を落としておくのが理想的です。
砂利や枯れた植物などを適度に取り除いておくだけで、処分費が抑えられる可能性が高まります。業者によっては「できるだけ汚れを少なくしてもらえれば、単価が安くなる」というケースもあるため、事前に条件を確認しておくと良いでしょう。
3. 梱包
ビニールを回収業者に引き渡す前に、ある程度まとめて梱包する必要があります。地域の回収ルールや業者の要望に合わせて、紐で縛る、袋に入れるなどの方法をとります。
ビニールを種類ごと(農PO、マルチフィルムなど)に分別しておくと、リサイクルや処分の工程がスムーズになり、結果的に費用を抑えられることも期待できます。大きなハウス用ビニールは、小さく畳んである程度のサイズに分割しておくと運搬しやすいでしょう。
4. 回収依頼・運搬
梱包したビニールを指定された場所に集積し、回収業者がトラックで引き取りに来るのを待ちます。回収業者に直接持ち込む場合は、積載方法や搬入日時などを事前に打ち合わせすることが大切です。
農協や自治体の回収イベントを利用する場合は、日時や場所に合わせてビニールを持ち込む形が一般的です。
農業用ビニールの処分費用の目安
農業用ビニールの処分費は、地域や業者、ビニールの量や状態によって大きく変動します。一般的に、ビニールの重量や体積単位で料金が設定されており、1kgあたり数十円〜数百円という幅広い相場が存在します。ここでは、費用に影響する主な要因と、費用をなるべく抑えるポイントを紹介します。
費用に影響する要因
土や泥、作物の残骸が付着していると、分別や焼却工程で手間がかかるため、処理費用が上乗せされる可能性が高いです。他にも、農ポリや農PO、マルチフィルムのようにビニールの素材が異なると、リサイクルのしやすさや焼却時の燃焼特性が変わり、費用に差が出ることがあります。
まとめて大量に出すほど割安になる場合もあれば、逆に少量で出すと最低料金が適用され割高になるケースもあります。 また、回収業者までの距離が遠い場合、運搬費が高くつくことがあるので把握しておきましょう。
費用を抑えるためのコツ
まとめて回収してもらうと一括処理が可能になり、一件ずつ業者を呼ぶより費用が安いことがあります。 また、 泥や農作物の残骸をできるだけ除去しておけば、業者側の手間が減り、処分費の値引き交渉がしやすくなります。
近隣農家と連携して、大量のビニールを一度に出すと、スケールメリットで料金が下がる可能性があります。他にも複数のビニールを混在させると処理が複雑になるため、素材ごとにまとめておくとリサイクル効率が上がり、費用も節約できる場合があります。これらのポイントを抑えて費用を抑えましょう。
農業用ビニールを焼却できるケースと注意点
農業用ビニールの中には、一部焼却が許可されている素材もあります。ただし、一般的な露天焼却は法律で禁止されており、必要な設備や許可を備えた焼却炉でなければ処分できません。
焼却炉を使う場合でも、ダイオキシンや有害ガスの発生を抑制するために高温で燃やす施設が求められ、自治体ごとに基準が定められているのが通常です。 ここでは、焼却できるケースと注意点を解説します。
小規模農家向けの簡易焼却炉の存在
「農業用ビニールを焼却できる簡易焼却炉があるのか」という疑問を持つ農家もいるかもしれません。実際、メーカーによっては高温燃焼を可能にし、有害ガスを極力抑える設計の焼却炉が販売されているケースもあります。
ただし、こうした焼却炉を導入するには高額な費用がかかる場合があり、導入後も自治体の許可が必要になることがあります。
自治体の指導・条例に注意
仮に高性能焼却炉を導入しても、地域によっては「農業用ビニールはすべて産業廃棄物処理として業者に委託すること」と条例で定められている場合があります。
違法処理とならないよう、自治体や役所に確認した上で導入を検討する必要があります。導入コストとランニングコストを考慮したうえで、定期的に大量のビニールを処分するメリットがあるかどうかを総合的に判断すると良いでしょう。
農業用ビニールは再資源化・リサイクルは可能?
プラスチックごみに対する国際的な規制や環境意識の高まりを受け、農業用ビニールの再資源化やリサイクルに力を入れる取り組みも少しずつ進んでいます。
技術的にはリサイクルできる素材も多いのですが、汚れや異物混入があるビニールは再利用が難しく、焼却や埋め立てに回されるケースが依然として多いのが現状です。ここでは、実際の事例と農家ができる環境配慮の取り組みを解説します。
実施されているリサイクル事業の例
一部の自治体や企業では、回収した農業用ビニールを洗浄・破砕してペレット化し、再生プラスチックの原料として活用する事例があります。再生プラスチックは農業資材や工業用資材に転用されるなど、多様な用途が広がりつつあります。
ただし、汚れが激しかったり化学成分が混入したりするとリサイクルが困難になるため、洗浄工程にコストがかかるという課題があります。
農家ができる環境配慮の取り組み
長期間放置すると汚れや破れが増え、リサイクルが困難になります。そのため、複数の種類のビニールが混在しないように保管することで、リサイクルルートに乗せやすくなる可能性があります。市町村やJA、民間のリサイクル業者など、近隣に回収ルートがある場合は積極的に活用するとスムーズです。
プラスチック問題への対応は、今後さらに強化されると予想されるため、農家としても環境とコストの両立を図るにはリサイクル意識を高めていくことが重要となるでしょう。
農業用ビニールの不法投棄や近隣トラブルを避けるために
農業用ビニールの処分において、法令やマナーを守らないとさまざまなトラブルを招く恐れがあります。以下では、不法投棄や近隣との摩擦を回避するために押さえておきたいポイントをまとめました。
不法投棄は厳重に禁止
農業用ビニールを山林や河川敷、空き地などに廃棄する行為は明確な違法行為です。罰則としては、廃棄物処理法違反に問われる可能性があり、罰金や懲役刑が科されることもあり得ます。
もし業者に委託して不法投棄が行われた場合でも、排出事業者(農家)にも責任が追及されるケースがあるため、業者選びは慎重に行うことが求められます。
においや煙の苦情
自己処理や不適切な焼却を行うと、悪臭や煙が近隣住民へ飛散し、クレームにつながることがあります。こうした苦情が自治体や消防、警察に寄せられると、早急な対応や罰則が必要になる場合もあるため、絶対に避けましょう。
高性能焼却炉があったとしても、自治体の規定に従わずに燃やしてしまうとトラブルの温床になります。
野生動物や家畜への影響
使用済みのビニールが飛散すると、野生動物や家畜が誤って食べてしまうリスクがあります。胃腸障害や窒息の原因となる恐れもあり、環境保護の観点からも非常に問題の大きい行為です。
ビニールを解体するときや保管するときは、風で飛ばされないようにしっかり固定し、野外に長時間放置しないように注意しましょう。
まとめ
農業用ビニールは、ビニールハウスやマルチフィルムなど農作業に欠かせない資材である一方、使用後の適正処理が求められる廃棄物でもあります。不法投棄や違法焼却は重大な環境問題や罰則につながるため、信頼できる処分ルートの確保が不可欠です。
費用を抑える工夫として、ビニールの汚れを防いだり、早めにまとめて保管したり、他の農家と共同で出すことでスケールメリットを活かす方法がありますが、それでも「対応してくれる業者が少ない」「汚れがあると断られる」といった悩みを抱える方は多いのではないでしょうか。
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