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2025/04/22

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産業廃棄物となる廃プラスチックはどう処理する?定義や具体例を紹介!

不法投棄や環境汚染の問題から、適正な廃棄物処理を求める声が高まった近年。SDGsに代表される新しい環境への取り組みも相まって、廃棄物処理には一層厳格な制限が課されるようになっています。 そんな中、「廃プラスチックって、どう処理すればよいの?」「どこまでが産業廃棄物になるのか、正直よく分からない…」とお困りの方もいらっしゃることでしょう。 本記事では、廃プラスチックがなぜ産業廃棄物に分類されるのか、定義や具体例などを解説します。処理方法の種類や費用の目安もまとめているので、ぜひ参考にしてください。

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産業廃棄物としての廃プラスチックとは?

廃プラスチックとは、大まかに言えば製造や加工の過程、または製品の使用後に不要となったプラスチック類です。これらは日常生活から出るものとは異なり、企業や工場などから排出される「産業廃棄物」に分類されます。

適切に処理されなければ環境への影響が大きくなるため、法律によって厳格な取り扱いが定められています。

廃プラスチックの定義と産業廃棄物に分類される理由

廃プラスチックとは、プラスチック製品や素材が使用後、不要となり廃棄物化したものを指します。このうち事業活動に伴って排出されるものは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」施行令第2条第4号により、廃プラスチック類に分類されています。

事業者が業務を行う中で排出するプラスチック廃棄物は、家庭ごみのような一般廃棄物とは異なり、産業廃棄物として法的に特別な取り扱いが義務付けられています。排出者である事業者は、適正な保管・収集・運搬・処理の体制を整え、法令に沿って管理しなければいけません。

廃プラスチックの具体的な例と分類方法

代表的な例としては、食品や商品を包む包装材、ストレッチフィルム、発泡スチロール、プラスチック製パレットやコンテナ、ビニールホース、シュリンクフィルム、ポリタンクなどが挙げられます。製造業や物流業、小売業、飲食業などさまざまな業種で排出されており、どの業界でも身近に存在する廃棄物です。

これらは材質や排出元によって大別され「可燃性の軟質プラスチック」と「非可燃性の硬質プラスチック」に分けられることが一般的です。たとえば、ラップフィルムやレジ袋のような柔らかいものは軟質、バケツやケースのような成型製品は硬質に該当します。

また、分類は処理方法の選定にも大きく関係します。汚れが少なく再利用可能なものはリサイクル対象とされる一方、汚染が著しいものや異素材が混在しているものはリサイクル困難とされ、焼却や最終処分に回されるケースもあります。

適切な処理が求められる背景と重要性

廃プラスチックの適切な処理が求められる背景には、環境汚染、処理コストの増加、そして不法投棄などの深刻な社会問題があります。

なかでも九州地方では、過去に複数の不法投棄事件が報告されてきました。たとえば福岡県北九州市では、産業廃棄物処理業者が大量の廃プラスチックを山林に違法に埋設した事件が発覚し、大きな社会的非難を浴びました。宮崎県でも同様に、産廃処理場の不適切な管理により周辺の水質や土壌への影響が懸念されるケースが報告されています。

このような事例は、地域住民の生活環境を脅かすだけでなく、企業の信頼性や行政の管理体制にも影響を与えます。さらに、近年は国際的にも廃プラスチックの輸出入規制が厳しくなっており、国内での処理能力の強化が避けられない状況です。

廃プラスチックの処理に関連する法律

廃プラスチック自体は廃棄物処理法によって定義されていますが、その処理方法や処理の考え方は、いくつか関連する法案によって規定されています。

廃プラスチックの処理方法を理解する前に、これらの関連する法律の中でも代表的なものの内容を紹介します。

プラスチック資源循環促進法

プラスチック資源循環促進法は、2022年4月に施行された法律です。正式名称は「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」で、製造から廃棄に至るまでの各段階でプラスチックの利用を見直し、資源としての循環を促すことを目的としています。

この法律では、製造・販売・回収・再資源化の全過程で事業者に一定の責任が課されることが特徴です。たとえば製品設計段階では、再利用しやすい素材の採用や部品の一体化など、環境配慮設計が推奨されます。さらに、使用済みプラスチックの分別回収や、再資源化の推進も事業者の努力義務とされています。

また、一定規模以上の事業者には、特定プラスチック使用製品の使用合理化のための判断基準が設けられており、毎年の実績報告を行わなくてはなりません。

バーゼル法

バーゼル法とは、「有害廃棄物の越境移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」に基づいて国内法として制定された法律で、正式名称は「特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律」です。日本では1993年に施行され、主に廃棄物の国際的な移動を規制するために機能しています。

この法律の対象となるのは、毒性や爆発性、腐食性などの性質を持つ有害廃棄物ですが、2019年のバーゼル条約改正により、廃プラスチックも新たに規制対象に加えられました。これにより、汚れたプラスチックや再利用が困難なものなど、リサイクル目的であっても輸出・輸入には事前の届け出や相手国の同意が必要となりました。

背景には、東南アジア諸国などで日本を含む先進国からの廃プラスチック輸入が急増し、環境汚染や不法投棄、労働者の健康被害などが深刻化した問題があります。そのため、プラスチックごみの国内処理体制の強化と、輸出に対する慎重な管理が国際的にも求められるようになったのです。

廃プラスチックの処理方法4つとその特徴

廃プラスチックの処理には複数の方法があり、それぞれリサイクルの観点や環境への負荷、コスト面などで異なる特徴を持っています。日本では、限られた資源を効果的に活用し、廃棄物の減量を目指すために、それぞれの方法でリサイクル処理の推進が進められています。

次からは、これらの処理方法を個別に紹介します。

マテリアルリサイクル

マテリアルリサイクルは、廃プラスチックを物理的に再加工して、再びプラスチック製品として利用する方法です。使用済みのペットボトルを回収して、フレークやペレット状に粉砕・加工し、建材や衣料品などに再利用することは、マテリアルリサイクルの最も身近な事例の1つです。

マテリアルリサイクルは、素材としてのプラスチックの性質を維持したまま活用できるため、リサイクルできる資源量が多いというメリットがあります。ただし、汚れが付着していたり異種素材が混在していたりすると、品質の低下や処理の困難が生じやすいため、排出段階での適切な分別が不可欠です。

また、繰り返し再生を行うことで素材の劣化が進むため、用途が限られてくるなどの課題もあります。それでも、資源循環型社会の実現を支える中核的な処理方法のひとつとして、自治体や企業による取り組みが広がっています。

ケミカルリサイクル

ケミカルリサイクルは、廃プラスチックを化学的に分解し、元の原料やそれに近い成分に戻して再利用する方法です。たとえば、熱分解によってガスや油などの化学物質を取り出し、それを燃料や新たな製品の原材料として活用するケースが挙げられます。

この方法は、異種プラスチックが混在していても処理しやすく、物理的なリサイクルが難しい廃プラスチックにも対応できる点が特徴です。特に、フィルムや多層構造の包装材など、マテリアルリサイクルでは処理が困難な素材の活用先として注目されています。

ただし、設備への投資が大きく、処理工程にも高度な技術を要するため、国内での実用化はまだ限定的です。一方で、将来的には再生資源の活用幅を広げる手段として期待されており、大手化学メーカーを中心に技術開発が進んでいます。

サーマルリサイクル

サーマルリサイクルとは、廃プラスチックを燃料として活用し、その際に得られる熱エネルギーを回収して利用する方法です。具体的には、焼却施設で発生する熱を用いて発電や温水供給を行い、エネルギー資源として再利用します。

日本ではこの方式が最も普及しており、廃棄物発電の形で多くの自治体や企業に導入されています。リサイクルの一種とされてはいるものの、プラスチックを原材料として再生するわけではないため、環境保全の観点から議論の対象になっていることには注意が必要です。

なお、廃棄せざるを得ないプラスチックを単に焼却するよりも、熱を有効活用する点でこの処理方法は一定の評価を得ています。近年は焼却時の有害物質排出を抑える高度な技術も導入されており、安全性と効率性の両立が図られつつあります。

焼却処分

焼却処分は、リサイクルが困難な廃プラスチックを焼却炉で燃やして処分する方法です。特に汚れがひどく再資源化が難しいものや、混合物として回収された廃プラスチックが対象になります。

焼却は比較的簡便で即効性のある処理方法ですが、温室効果ガスの発生やダイオキシンなど有害物質の排出が課題とされてきました。近年ではこれらの問題を解決するため、高性能な焼却設備が導入され、排出ガスの無害化や熱回収との併用が進められています。

しかし、環境負荷がゼロではないため、焼却処分はリサイクルに比べて環境保全の観点では後回しにされる傾向があります。とはいえ、最終処理手段として必要とされるケースも多く、廃プラスチックの性質や混入状況によって適切に使い分けることが求められています。

各処理方法の比較と選択のポイント

廃プラスチックの処理方法には、マテリアル・ケミカル・サーマルリサイクル、そして焼却処分の選択肢があります。これらはそれぞれ処理対象や目的、コスト、環境負荷の観点から使い分けられています。

マテリアルリサイクルは、比較的きれいで単一素材のプラスチックに適しています。一方で異素材が混在している場合や汚れがひどい場合には、ケミカルリサイクルやサーマルリサイクルが候補となります。これらは設備投資や運用コストが高いため、導入には慎重な検討が必要です。

焼却処分は、再資源化が難しい廃プラスチックの処理に向いていますが、環境負荷が他の方法よりも高いため、他の手段が取れない場合に限定されることが多い傾向です。

最適な処理方法を選ぶには、廃プラスチックの性状や排出量、法的要件、委託先の処理能力などを総合的に考慮することが求められます。

信頼できる産業廃棄物処理業者の選び方

廃プラスチックを適切に処理するためには、処理業者の選定が大切です。不適切な処理は法的責任を招くこともあり、委託先の選び方には慎重さが求められます。

ここでは、業者の信頼性を見極めるための視点を解説します。

優良認定業者を見極めるためのチェックポイント

産業廃棄物処理業者を選ぶ際には、「産業廃棄物処理業の優良認定制度」を確認することが大切です。これは、環境省が設けた制度で、法令順守の実績や経営の健全性、環境配慮の取り組みなど、一定基準を満たす業者に対して認定が与えられます。

優良認定を受けた業者は、通常よりも長期間の契約が可能になるだけでなく、処理能力や実績の面でも安心感があります。環境省や各自治体のウェブサイトで、認定を受けた事業者のリストが公開されているので、確認してみるとよいでしょう。

また、ISO14001などの環境マネジメント認証を取得しているか、過去に行政処分を受けていないかなどの点も、信頼性を測る材料となります。

契約前に確認すべき注意点 

廃プラスチック処理を委託する際には、契約内容を細かく確認し、法的な要件を満たしているかどうかを見極めることが欠かせません。処理委託契約書が「書面」で交わされていること、内容にマニフェスト制度の活用や処理方法、責任の所在が明記されていることを確認しましょう。

加えて、業者が持つ許可証の種類や有効期限、対象となる廃棄物の範囲も明記されているかも注意が必要です。契約前に許可証の写しを提示してもらい、処理予定の廃棄物が許可の範囲内にあるかを確かめておきましょう。

契約後のトラブルを防ぐためにも、見積書や契約書に記載された料金体系や追加費用の条件など、費用に関わる部分も明確にすること、処理完了後にマニフェストが正しく返送されるかどうかも、確認すべきポイントです。

廃プラスチックの処理費用とコスト削減のコツ

廃プラスチックの処理は、排出事業者にとって無視できないコストとなるため、費用の内訳や価格変動の仕組みを理解しておくことが欠かせません。

ここからは、処理費用の相場や費用が決まる要因、具体的なコスト削減の方法を詳しく解説します。

処理費用の相場とその内訳

廃プラスチックの処理費用は、目安として1kgあたり30〜110円程度が一般的な相場とされています。ただし、再資源化の可否や異物混入の有無、減容処理の有無などによって価格は大きく変動します。

混合プラスチックやラミネート製品など、リサイクルが難しい素材は処理コストが高くなりがちです。一方、単一素材で汚れの少ないものは、マテリアルリサイクルが可能で比較的低価格に抑えられます。

また、定期的な排出や大量処理の場合は、処理業者との契約によって単価が抑えられるケースもあるため、事前に相見積もりを取ることが大切です。

コスト削減のための分別と減容の工夫

廃プラスチックの処理費用を抑えるためには、排出段階での分別と減容が大切な役割を果たします。なぜなら、リサイクル可能な素材とそうでない素材を明確に区別でき、処理方法の選択肢が広がることで、より安価な処理方法を選択しやすくなるからです。

ペットボトルやPP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)などは単一素材であればリサイクルしやすく、処理費用の削減につながることがあるため、プラスチックごとに種類を分けておくと、マテリアルリサイクルへの適用が可能になる場合があります。

また、容積を減らす減容処理も効果的です。圧縮機や破砕機を活用することで運搬効率が向上し、運搬コストの削減が期待できます。特に発泡スチロールのような軽量・かさばる廃プラスチックでは、減容の効果が顕著です。

これらの工夫は一見手間に見えますが、長期的なコストの低減と環境配慮の両立を図る上で効果的な手段です。

効率的な廃棄物管理でコストを抑える方法

排出から処理までの各工程を見直すことで、無駄なコストの発生を防ぐことが可能です。

社内での廃棄物の発生状況を定期的に把握することは、その第一歩です。どの部署からどの種類のプラスチックが、どの程度の量出ているかをデータとして記録することで、適切な処理方法を選択しやすくなります。過剰な廃棄や不要な混合を防ぐためにも、現場での意識改革も並行して行っていきましょう。

また、廃棄物処理業者との契約内容を定期的に見直すことも効果的です。処理量の変化に合わせた料金体系や、複数業者との比較検討により、コストパフォーマンスを向上させることができます。

こうした現場での取り組みと合わせ、年々厳しくなる廃棄物処理の規制に関して、自治体や業界団体が実施する廃棄物管理のセミナーや研修に参加し、最新の処理技術や管理手法を学ぶことも、実務の改善につながります。現場と経営層が連携し、全社的に廃棄物管理を改善していくことが、持続的なコスト削減に結びつきますよ。

まとめ|適切な廃プラスチック処理は信頼できる業者へ委託しよう

廃プラスチックは法的にも明確に産業廃棄物とされ、適切な処理が求められます。不適切な管理は環境への悪影響や法令違反につながるため、処理方法や費用を正しく理解し、信頼できる業者に委託することが大切です。

優良産廃業者認定、環境コミュニケーション大賞受賞の坂井商店では、コストと環境配慮を両立した廃プラスチック類の処分をサポートさせていただきます。お気軽にこちらまでお問い合わせください。

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