COLUMN

コラムページ

2025/04/22

その他

産業廃棄物処理の費用はいくら?サイズや量ごとの料金を解説

企業活動や工事現場などで発生する産業廃棄物は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づいて適切に処理する必要があります。とはいえ、「実際どれくらいの費用がかかるのか分からない」「業者によって料金が違っていて不安」という方も多いのではないでしょうか。 この記事では、産業廃棄物の基本的な情報から、サイズや持ち込み方法ごとの処理費用の目安を解説します。

佐賀県を中心とした
建物解体、廃棄物処分なら
各種認定企業の坂井商店に
お任せください

TEL0952-98-0118

営業時間 9:00~20:00 定休日 無休

産業廃棄物とは?

産業廃棄物について

産業廃棄物とは、企業や工場、建設現場などの事業活動に伴って発生する廃棄物を指します。廃棄物処理法により「事業系ごみ」として分類され、、事業者が自らの責任で適正に処理することが義務付けられています。

不適切な処理は、環境汚染や法令違反のリスクを招くことから、事業活動において産業廃棄物の適正管理は極めて重要な課題となっています。

産業廃棄物の種類

産業廃棄物は、大きく2つの区分に分類されます。

区分内容
一般廃棄物事業活動に伴って発生する廃棄物のうち、法令で定められた20種類のもの。主に企業や工場、建設現場などから排出される。
産業廃棄物家庭や事業所から出るもので、産業廃棄物に該当しない廃棄物。

さらに、毒性や引火性など人や環境へのリスクが高いものは「特別管理廃棄物」として、より厳格な管理と処理が義務付けられています。

区分内容
特別管理一般廃棄物一般廃棄物の中で、感染性廃棄物など危険性の高いもの。
特別管理産業廃棄物産業廃棄物のうち、PCB・廃油・廃酸・アスベストなど、有害性が高いとされるもの。

産業廃棄物は明確に分類されており、適切な処理方法を選択するためには、自社が排出している廃棄物がどの区分に該当するのかを正確に把握することが不可欠です。誤った認識や処理は、法的リスクや社会的責任問題に直結するため、慎重な対応が求められます。

佐賀県での産業廃棄物の種類については、以下の通りです。

区分
具体例
燃え殻石炭がら、焼却炉の残灰、炉清掃掃出物、その他の焼却残さ
汚泥工場排水等の処理後の泥状のもの及び各製造業の製造工程で出る泥状のもので有機性及び無機性のすべてのもの
廃油潤滑油系、絶縁油系、洗浄油系及び切削油系の廃油類、廃溶剤類等、鉱物性油及び動植物性油脂に係るすべての廃油
廃酸廃硫酸、廃塩酸、各種の有機廃酸類等、すべての酸性廃液
廃アルカリ廃ソーダ液、金属せっけん液等、すべてのアルカリ性廃液
廃プラスチック類合成樹脂くず、合成繊維くず、合成ゴムくず(廃タイヤを含む)等、合成高分子系化合物に係る固形状、液状すべての廃プラスチック類
紙くず紙・紙加工品製造業、新聞業、出版業、製本業、印刷物加工業、建設業(工作物の新築・除去等に伴って生じたもの)から生ずる紙くず
木くず木材・木製品製造業(家具製造業を含む)、パルプ製造業、輸入材卸売業、物品賃貸業、建設業(工作物の新築・除去等に伴って生じたもの)から生じる木くず、貨物の流通のために使用したパレットに係る木くず
繊維くず繊維工業、建設業(工作物の新築・除去等に伴って生じたもの)から生ずる天然繊維くず
動植物性残さ食品製造業、医薬品製造業、香料製造業から生じる動植物性残さ
動物系固形不要物と畜場において解体した獣畜及び食鳥処理場において食鳥処理をした食鳥に係る固形状の不要物
ゴムくず天然ゴムくず
金属くず鉄鋼、非鉄金属の研磨くず、切削くず等
ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くずガラスくず、耐火レンガくず、コンクリートブロックくず、インターロッキングブロックくず、陶磁器くず等
鉱さい高炉・平炉・電気炉等からの残さい、不良鉱石、鋳物廃砂等
がれき類工作物の新築・改築又は除去に伴って生ずるコンクリート破片、レンガ破片、その他これに類する不要物
動物のふん尿畜産農業から排出される牛・馬・豚・にわとり等のふん尿
動物の死体畜産農業から排出される牛・馬・豚・にわとり等の死体
ばいじん大気汚染防止法に定めるばい煙発生施設、ダイオキシン対策特別措置法に定める特定施設又は汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラ、紙くず・木くず・繊維くず・金属くず(PCBが付着・封入等したもの)の焼却施設において発生するばいじんであって、集じん施設によって集められたもの
その他の産業廃棄物(13号廃棄物)産業廃棄物を処分するために処理したものであって、上記の産業廃棄物に該当しないもの(有害汚泥のコンクリート固形物など)

<特別管理産業廃棄物>

区分具体例
廃油産業廃棄物である摘発油類、灯油類、軽油類
廃酸水素イオン濃度指数(pH)が2.0以下の酸性廃液
廃アルカリ水素イオン濃度指数(pH)が12.5以上のアルカリ性廃液
感染性産業廃棄物感染性病原体を含む又はそのおそれのある産業廃棄物(血液の付着した注射針、採血管など)《施設例》病院、衛生検査所、介護老人保健施設、動物の診療施設、公立試験研究施設
廃PCB等PCB汚染物、PCB処理物廃PCB及びPCBを含む廃油PCBが染み込んだ汚泥、紙くず、木くず又は繊維くずPCBが付着した廃プラスチック類、金属くず、陶磁器くず又はがれき類廃PCB等又はPCB汚染物を処分するために処理したもの
廃水銀等及びその処理物廃水銀等(廃水銀及び廃水銀化合物)、廃水銀等を処分するために処理したもの(環境省令で定める基準に適合しないものに限る)《施設例》水銀回収施設、水銀使用製品製造施設、水銀を媒体とする測定機器を有する施設、大学及びその附属試験研究機関、その他
廃石綿等除去した飛散性の石綿・石綿含有保温材及びその除去に伴った石綿の付着のおそれがあるもの、大気汚染防止法の特定粉じん発生施設で集じん施設から集められた飛散性の石綿等
その他の産業廃棄物燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、鉱さい、ばいじん等で特定の施設を有する事業場において生じたものであって政令で定める有害物質等の基準値を超えて含むもの

引用:一般社団法人佐賀県産業資源循環協会

産業廃棄物処理にかかる費用

サイズ別の費用

産業廃棄物の処理費用は、「容積」または「重量」で計算されるのが一般的です。以下は費用の目安です(※地域や業者によって変動あり)。

  • 1㎥あたり:10,000〜30,000円程度
  • 1tあたり:20,000〜50,000円程度

特に、金属くずや廃プラスチックなど再利用可能なものは比較的安価に処理できますが、汚泥や廃油など特殊な処理が必要な廃棄物は費用が高くなる傾向があります。

種類費用の目安
可燃性廃棄物1tあたり約5,000~15,000円
不燃性廃棄物1tあたり約3,000~10,000円
有害廃棄物(特別管理産業廃棄物)1tあたり約20,000~50,000円
建設廃棄物1tあたり約5,000~15,000円
有害産業廃棄物(高リスク廃棄物)1tあたり約30,000~100,000円

持ち込み費用

処理業者に直接持ち込む場合、以下のような費用がかかることがあります。

  • 基本処理費用(重量・種類別)
  • 検収手数料(1,000〜3,000円程度)
  • 混入物の分別手数料(必要に応じて加算)

運搬費用がかからない分、運搬費用が安く済みますが、事前予約や種類の申告などが必要です。

持ち込む際の注意点

産業廃棄物を自社で中間処理施設や最終処分場へ直接持ち込む場合は、コスト削減というメリットがある一方で、法令順守と安全管理の徹底が求められます。以下に、持ち込み時に特に注意すべきポイントを詳しく解説します。

1. マニフェスト伝票の準備

産業廃棄物を処理施設に搬入する際は、産業廃棄物管理票(マニフェスト)の作成と携行が必須です。これは「誰が、どこから、どのような廃棄物を、どの業者に委託して処理するか」を記録するもので、不法投棄や不適切処理を防ぐために法律で義務付けられています(廃棄物処理法第12条)。

紙マニフェストだけでなく、電子マニフェスト(JWNET)を活用することで管理の効率化も図れます。事前に施設の受け入れ形態や提出方法を確認しておくとスムーズです。

2. 廃棄物の種類や性質を正確に把握する

処理施設は、持ち込まれた廃棄物の種類や内容によって受け入れ可否を判断します。そのため、持ち込む側が廃棄物の正確な分類・性状・発生元を把握していることが不可欠です。

たとえば、汚泥や廃油などは含有物質や水分量によって処理方法が大きく異なります。成分分析書やSDS(安全データシート)の提出を求められるケースもあるため、事前に準備しておきましょう。

誤った情報で申告した場合、受け入れを拒否されるだけでなく、重大な法令違反となるおそれもあります。

3. 安全対策の徹底

液体や粉体、腐食性・引火性のある廃棄物を搬入する際は、漏洩・飛散・爆発のリスクを防ぐための適切な梱包・容器管理が求められます。特に特別管理産業廃棄物に該当する場合は、密閉性・耐久性のある専用容器の使用や、ラベル表示の義務も発生します。

搬入中の事故は作業員の安全や周囲への影響だけでなく、企業の社会的信用にも大きなダメージを与えかねません。積載方法や輸送中の温度管理なども含め、事前に計画を立てておきましょう。

4. 処理業者の許可証を確認する

処理を外部業者に委託する場合でも、許可を持たない業者に処理を依頼することは法律違反です。無許可業者への依頼は、不法投棄や処理責任の所在不明といった重大なトラブルを引き起こすリスクがあります。

委託前には必ず、以下を確認しましょう。

  • 「産業廃棄物処分業」「収集運搬業」いずれかの許可証
  • 対象の廃棄物の種類に対応しているか
  • 許可の有効期限や処理可能地域

自治体のホームページや「産廃情報ネット」などで、業者の登録情報を確認することも可能です。

産業廃棄物処理費用を抑える4つの方法

産業廃棄物の処理には一定のコストがかかりますが、工夫次第で費用を抑えることも可能です。ここでは、企業が実践しやすいコスト削減のポイントを4つ紹介します。

1. 廃棄物の分別を徹底する

産業廃棄物を種類ごとに適切に分別することで、処理費用の削減につながります。たとえば、リサイクル可能な廃プラスチックや金属くずを他の廃棄物と混在させずに分けて出すことで、再資源化ルートで処理できるようになり、通常よりも低コストで済むケースがあります。

また、分別の徹底はリサイクル率の向上にもつながり、環境配慮型企業としての評価向上にも貢献します。従業員への分別ルールの教育や、現場ごとの分別マニュアルの整備なども重要なポイントです。

2. 複数の業者に見積もりを依頼する

産業廃棄物処理業者は、会社ごとに料金設定や対応可能な廃棄物の種類が異なります。一社のみに依頼せず、必ず複数の業者に見積もりを取ることがコスト削減の第一歩です。

価格だけでなく、サービス内容・対応の柔軟さ・マニフェスト対応の有無なども比較し、総合的に判断することが大切です。長期的な契約を結ぶ場合は、定期的な見直しを行うことで、無駄なコストの発生を防げます。

3. 処分場へ直接持ち込む

自社で廃棄物を処分場まで運搬できる体制がある場合は、中間処理業者を介さずに直接処分場へ持ち込むことで、手数料や運搬費用をカットできます。ただし、以下の点に注意が必要です。

  • 事前に受け入れ可能な廃棄物の種類と条件を処分場に確認する
  • 廃棄物の安全な運搬方法や容器の選定を徹底する
  • マニフェスト(管理票)制度に準拠する必要がある

初期の手間はかかりますが、一定量以上の廃棄物を安定的に出す企業には特に有効なコスト削減手段といえます。

4. マネジメント会社やコンサル会社に依頼する

社内での処理計画や法令対応に不安がある場合は、産業廃棄物処理の専門コンサルタントやマネジメント会社に依頼する方法もあります。これらの会社は、以下のような支援を通じて無駄なコストを見直してくれます。

  • 廃棄物の発生状況を分析し、最適な処理方法の提案
  • 業者の選定・比較・交渉の代行
  • 法令遵守状況のチェックとリスク回避策の提案

外部に委託する分の費用は発生しますが、結果的にトータルコストの削減や業務効率の向上につながるケースが多く、特に複数拠点で廃棄物を扱う企業にとっては強力なパートナーとなるでしょう。

委託する廃棄物処理業者の選び方

産業廃棄物処理業者を選ぶ際には、以下のポイントを確認しておくことが大切です。

1. 認可を受けた業者か

適切な認可を受けた業者を選ぶことで、法的な問題を避けることができます。産業廃棄物の処理を委託する際は、必ず都道府県や政令市から「産業廃棄物処理業」の許可を受けている業者を選びましょう。無許可の業者と知らずに依頼した場合でも、排出事業者として法的責任を問われるでしょう。

2. 委託時にマニフェスト(管理伝票)の受け渡しがあるかを確認

マニフェストとは、産業廃棄物が適切に処理されるまでの流れを記録・管理するための伝票です。委託時には必ず交付し、処理完了後には最終処分までが適切に行われたかを確認できる返却書類を受け取る必要があります。マニフェストの管理が徹底されていない業者は信頼性に欠ける可能性があるため、やり取りがきちんと行われているかをチェックしましょう。電子マニフェストに対応している業者であれば、より効率的かつ正確な管理が可能です。

3. 優良産廃処理業者の認定を受けているか

産業廃棄物の処理には、法的な規制や環境への配慮が欠かせません。そのため、環境省推奨の優良産廃処理業者として認定されている業者を選ぶことは非常に重要です。優良産廃処理業者とは、環境保護法規を遵守し、適切な処理方法を採用している業者であり、一定の基準を満たしている企業に与えられる認定を受けている業者を指します。この認定を受けている業者は、廃棄物の処理に関して高い専門知識と技術を有し、適切な手続きを踏んで廃棄物を処理します。

認定を受けた業者を選ぶことで、法的リスクを避けることができ、万が一の不法投棄や不適切な処理が行われた場合でも、責任を果たすための手続きがしっかりと整備されています。また、認定業者は通常、業界内での信頼性が高く、過去の実績や評判が良い場合が多いです。そのため、廃棄物の処理を依頼する際にも、安心して任せることができるというメリットがあります。

まとめ|サイズや量ごとの処理費用の相場を把握しておこう

産業廃棄物の処理費用は、廃棄物の種類や量、処理方法によって大きく変動します。そのため、事前に正確な内容を把握することが重要です。適切な分別やリサイクルを行えば、不要なコストを削減できる可能性があります。また、複数の業者から見積もりを取得し、料金だけでなく、処理方法の適正さや対応の丁寧さ、過去の実績なども比較することで、コストと品質のバランスを取った選定が可能になります。

坂井商店では、廃棄物処理に関する最適な方法の提案から業者選定、見積もりサポートまで真摯に向き合い、トータルで支援・サポートさせていただきます。費用や処理に関するご相談はお気軽にこちらまでお問い合わせください。

佐賀県を中心とした
建物解体、廃棄物処分なら
各種認定企業の坂井商店に
お任せください

TEL0952-98-0118

営業時間 9:00~20:00 定休日 無休