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2025/06/23

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農業廃棄物を正しく処分・活用する方法を徹底解説 

農業の現場では、作物の収穫や生産過程でさまざまなゴミが発生します。いわゆる「農業廃棄物」(農業ごみ)は、農業ビニールや資材類、農機具のメンテナンスで出る廃油・廃アルカリ、または規格外野菜や残さなど多岐にわたります。こうした廃棄物を適切に分類し、法律に沿った処理を行わなければ、環境負荷の増大や行政からの指導・処罰につながる恐れがあります。   特に近年はSDGsや循環型社会への関心が高まっており、農業廃棄物の「排出量を削減する」「上手にリサイクル・再利用する」取り組みが求められています。たとえば畜産副産物を肥料や飼料化する技術、バイオマス利用によるエネルギー化など、資源循環を意識した新たなビジネスモデルが注目を集めているのが特徴です。   しかしながら、農業廃棄物をめぐる法律や分類、処理フローは複雑で、産業廃棄物と事業系一般廃棄物の区分で悩むケースも少なくありません。本記事では、競合サイトの情報を参考にしつつ、農業廃棄物の分類・処分方法・保管基準、さらにはアップサイクル・バイオマス活用などの最新事例までを幅広く解説します。農家の皆様や関連事業者にとって、実務に役立つポイントが満載ですので、ぜひ参考にしてください。

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農業廃棄物(農業ごみ)とは? 

農業廃棄物とは、農家や農業関連事業者が生産活動を行う中で排出するゴミ全般を指します。ただし一口に「農業廃棄物」と言っても、法律上は大きく2つのカテゴリーに分類されます。  

産業廃棄物

事業系一般廃棄物 

この2つのどちらに該当するかで処分方法が大きく変わり、許可業者への委託や保管場所の基準が異なるため、正しい知識が必要です。  

産業廃棄物に該当する農業ゴミ  

産業廃棄物とは、廃棄物処理法で定められた「特定の業種(農業を含む)の事業活動に伴って生じる廃棄物」のうち、燃えがらや廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類など、法律で定められたものを指します。代表的な農業廃棄物としては、以下のようなものが挙げられます。  

  •  廃プラスチック類(農業用ビニールやパイプフィルム、ポリ容器など)  
  •  廃油(農機具のメンテナンス時に出るエンジンオイルなど)  
  •  廃酸・廃アルカリ(肥料の調合時に使用する酸性・アルカリ性薬液など)  
  •  金属くず(農機具の修理で出た部品やスクラップ)  
  •  木くず(構造物の解体で発生する木材など)  

こうしたものは、事業者として排出されるため「産業廃棄物」に分類されます。処分の際には、産業廃棄物収集運搬業の許可を持つ業者へ委託する必要があり、不法投棄や露天焼却を行うと法律違反となるので注意が必要です。  

事業系一般廃棄物に該当する農業ゴミ  

一方、「事業系一般廃棄物」に該当するのは、産業廃棄物には当たらないが、事業活動に伴って生じる一般廃棄物です。例えば紙くずや繊維くず、生活ゴミのように見えるものでも、農業活動に伴って排出されたものは事業系一般廃棄物として扱われます。自治体によって処理のルールが異なる場合があるため、地元の市町村役場や清掃事務所で確認が必要です。  

紙くずや段ボールなどの包装資材、日常使用しているビニール手袋やウエス(布切れ)などがこれに該当します。数量が多い場合には、市町村の収集サービスではなく、一般廃棄物の収集運搬許可業者に委託する必要があるケースもあるため、処理費の見積りを複数社で比較するなどの工夫が必要です。  

農業廃棄物の排出量とその背景  

近年、農業技術の高度化や大規模化により、農業廃棄物の総量が増えていると指摘されています。農林水産省や環境省の推計によると、廃プラスチックを中心とする農業廃棄物の排出量は、相当な規模にのぼるとされています。ここでは、農業廃棄物の排出量とその背景を解説します 。

ビニールハウスやマルチフィルムの増加  

ビニールハウス栽培やマルチフィルムの普及により、安定した作物生産が可能になった一方で、使用後のビニール廃棄物が大量に発生するようになりました。また農POフィルムや農ポリなど、素材が複雑化しており、再資源化が難しいものも含まれています。  

規格外野菜や食品ロス  

農作物には一定の規格やサイズが求められるため、市場に出せない規格外野菜や果物が大量に廃棄されるケースも問題視されています。食料ロスや規格外品のアップサイクルは近年注目を集めていますが、まだまだ大きな課題が残っている分野です。  

家畜排せつ物や残渣の処理  

畜産農家では、家畜排せつ物や餌の残渣などの有機廃棄物が大量に発生します。堆肥化やバイオマスエネルギーへの転換が進んでいる例もありますが、設備投資や技術的ハードルから充分に普及していない地域もあるのが現状です。  

農業廃棄物の正しい管理・排出方法

  農業廃棄物が産業廃棄物なのか事業系一般廃棄物なのかを判断できたら、次はその管理と排出方法を確認しましょう。不法投棄や不適切な処理を行うと、廃棄物処理法違反で罰則が科される可能性があります。  

保管基準と保管場所の表示義務  

産業廃棄物を保管する場合、廃棄物処理法では保管場所の基準を満たすことが求められます。たとえば、次のような取り決めがあります。  

  •  雨水や害虫が侵入しないよう、屋根やフタなどを設けること  
  •  流出や飛散が防止できる構造にすること  
  •  種類ごとに区分して保管すること  
  •  保管場所の表示(「産業廃棄物保管場所」など)が必要  

特に廃油や廃酸など有害物質を含む廃棄物は、周囲への影響が大きいため、厳格な管理体制を整えなければなりません。事業系一般廃棄物の場合でも、自治体のガイドラインに沿った保管・分別が推奨されています。  

産業廃棄物のマニフェスト(管理票)制度  

産業廃棄物を排出する際には、マニフェスト(管理票)を交付して、最終処分までの流れを追跡することが義務付けられています。紙ベースのマニフェストに加え、電子マニフェストを導入する事業者も増加中です。

マニフェストをしっかりと運用することで、委託した廃棄物が不法投棄などされず適正に処理されているか確認できます。  

地域の収集運搬業者を活用  

事業系一般廃棄物を処理する際、市町村の通常の家庭ゴミとして処分するのではなく、一般廃棄物収集運搬許可業者に委託しなければならないケースが多々あります。

特に大量に排出する場合は、事前に業者の見積もりを取得し、予算管理を行いましょう。複数の業者に相見積りを依頼して、サービス内容やコストを比較検討することもおすすめです。  

農業廃棄物はエネルギーに変えられる?

農業廃棄物は単なるゴミではなく、有効に利用すればエネルギー源として活用できるポテンシャルを秘めています。たとえば家畜排せつ物や作物の残渣(茎や葉など)はバイオガス発酵によってメタンガスを生成し、発電や熱源として利用可能です。さらに、発酵後の残さは堆肥として利用することで土壌改良に役立ちます。ここでは、産業廃棄物のエネルギー事例やメリット・デメリットを解説します。  

バイオマス産業都市の事例  

国や自治体は「バイオマス産業都市」の構想を掲げ、農業廃棄物からバイオエネルギーを創出する取り組みを支援しています。

たとえば、北海道下川町では、森林バイオマスと農業廃棄物を活用したボイラーシステムを導入し、地域全体を循環型社会へと変えている事例があります。こうした取り組みによって、エネルギーの地産地消や農家のコスト削減、環境負荷の低減が実現しています。  

メリット・デメリット  

産業廃棄物には、下記のようなメリット・デメリットがあります。

メリット廃棄物処理コストを削減しながら、エネルギー収入や堆肥利用などの経済的メリットが得られる  
CO2排出を抑え、環境に優しい循環型農業を推進できる  
地域の資源を最大限に活用し、雇用を生む可能性もある  
デメリット専用設備(バイオガスプラントなど)の初期導入費が高額  
安定した廃棄物の供給量や品質を保つ必要がある  
技術者や知識のある人材の確保が難しい場合がある  

バイオマス活用は、長期的に見れば農家や地域社会にとって大きなリターンが期待できますが、導入には入念な計画と支援制度の活用が欠かせません。  

アップサイクルによる農業廃棄物の再利用方法   

ハンガーラックにかかった赤色やオレンジ、青色の洋服

農業廃棄物を「ゴミ」として廃棄するのではなく、別の形で製品化したり新たな価値を生み出す「アップサイクル」の取り組みも注目されています。これはSDGsや循環経済の観点からも非常に重要です。 ここでは、 アップサイクルによる農業廃棄物の再利用方法を紹介します。

農産物由来の素材を日用品に  

規格外野菜や果物をペースト化し、新たな食品や商品を開発する事例が増えています。たとえば、形が不揃いな野菜を乾燥粉末にして加工食品に利用する、果物の皮を抽出液として染色材料に使うなど、バラエティ豊かなアップサイクルの仕組みが生まれています。  

廃棄物を使った新素材(アグリテック)  

近年、農業廃棄物からプラスチックの代替素材を作る研究が進んでいます。廃棄される米ぬか、コーヒーかす、果物の繊維などを加熱圧縮して新たな樹脂やファイバー素材を開発し、食器や建材、衣料品などに応用する動きが目立ちます。KEENなどの海外ブランドでは、農業副産物をソール素材に一部配合し、環境負荷軽減をアピールしています。  

地域活性化への波及効果  

農業廃棄物のアップサイクルは、新たな産業創出と地域ブランドの確立につながる可能性が高いです。廃棄物を単純に捨てるのではなく、商品化・サービス化して付加価値をつければ、消費者や観光客の関心を集め、経済効果をもたらすことが期待できます。  

まとめ 

農業廃棄物(農業ごみ)は、産業廃棄物・事業系一般廃棄物のどちらに分類されるかを正しく理解し、法律に則った処理を行うことが欠かせません。廃プラスチックや廃油、廃酸などは産業廃棄物収集運搬業者への委託が必要であり、紙くずや繊維くずのように事業系一般廃棄物と分類されるものは、自治体や一般廃棄物の収集運搬許可業者のサービスを利用する必要があります。保管場所の基準やマニフェスト制度を遵守し、不法投棄や違法焼却を行わないように注意してください。  

農業廃棄物の正しい処分と有効活用は、環境保護と経済的メリットの両立を実現する手段の一つです。持続可能な農業を目指すためにも、今後は法令遵守に加え、新技術や地域のリサイクルシステムを柔軟に取り入れていく姿勢が必要でしょう。

とはいえ、実際には「汚れがあるから引き取ってもらえない」「長さや形状で断られた」など、処分に困るケースも少なくありません。

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